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旧気仙沼向洋高校震災遺構工事

弊社ではこの度、丹青社様(設計・監理業務)、やましち建設様(建築工事)の協力業者として、2018年の5月から施工にあたった、旧気仙沼向洋高校震災遺構工事が終了し、気仙沼市東日本大震災伝承館と同じ2019年3月10日開館致しました。

前回2018年7月13日の弊社ブログでも紹介させて頂きましたが、津波被害にあった旧気仙沼向洋高校を大災害の教訓として次世代に伝承する為に保存する工事になります。

弊社の工事分類としては大きく6つで、

① 津波被害で窓ガラスがなくなった各建物の窓部分に対し防鳥ネットの設置

② 各建物の雨水経路を確保する為雨樋の新設・保存

③ 来館者が館内を安全に見学できる為に来館者通路やフェンスの設置

④ 来館者見学ルート内にある南校舎階段室の内装整備・仕上・手摺の新設

⑤ 津波の傷跡をその場に残す為の屋外瓦礫固定・南校舎4階壁面の瓦礫模型設置

⑥ 来館者が怪我なく安全に館内を見学する為の各箇所安全補強

といった工事を施工させて頂きました。

震災遺構工事という事で既に震災の傷跡を伝える展示物がある中、工事のやり直しが一切できない為、随時の現場確認や書面にて仕様等確認して承認を頂きながら一歩ずつ確実に進めていくことに最善の注意を払いました。

実際に気仙沼営業所を開設致しまして5月から現場に乗り込みましたがすぐに工事をスタートすることは出来ず、約1ヶ月近く毎日現場に入っては1日中各建物の各所現調・採寸に明け暮れていつ施工が出来るのか不安になりました。

① 津波被害で窓ガラスがなくなった各建物の窓部分に対し防鳥ネットの設置

こちらの工事は現調期間より各建物の各窓の現場状況を一つずつ確認しまして、図面の施工予定箇所と照合し施工箇所に漏れがないかなど確認して行きました。

その中で、雨風が強く入る所には目の細かいタイプのネット(以後メッシュターポリンと呼称)を設置する事なり、種類別に色分けした図面などを作成して施工箇所の承認を頂いておりました。実際に施工するとなった際、メッシュターポリンの施工方法で一部の窓冊子が流され窓枠がガタガタな状態の中、外からの見栄えが良い為窓枠に設置して欲しいと言う気仙沼市からの要望に対し、窓枠に設置するのと同時にメッシュターポリンが張った状態で綺麗に取り付けられる方法を模索しておりました。結果、Lアングルと丸棒を加工した金物を作成致しまして、それを窓枠下部分に設置、あらかじめ上部分を固定したメッシュターポリンを引っ張った状態で丸棒付きのLアングルにフラットバーで固定するという方法で実際に一箇所サンプルとして取り付けたものを気仙沼市に現場にて確認してもらい、承認を頂いた上で無事着手する事が出来ました。

② 各建物の雨水経路を確保する為雨樋の新設・保存工事

こちらの工事は当初全ての雨樋や中間ドレンを復旧するという事で、各建物雨樋の径や長さ等調査しておりましたが、調査途中より既存問題ない雨樋はそのまま残して変形している所のみの施工で、中間ドレンに関しては錆止や塗装を施し保存という事に内容が変更になり、調査は工事箇所の明確化をメインに行いました。実際に防鳥ネット同様、破損している箇所の色分け図面と質疑書を作成しまして、新たに設置する雨樋の径や色に関して、実際にサンプルを見て頂きながら承認を頂き、進めていきました。実際に施工するとなった際、事前に質疑書にて既存のまま残す雨樋の納まりも明確に決めていた為、問題なく施工することが出来ました。

③ 来館者が館内を安全に見学できる為に来館者通路やフェンスの設置

こちらの工事は現調の時より現場の実際の破損状況や瓦礫状況により図面通りの位置に施工する事が難しいとされておりました。

各所の状況を写真におさめ、質疑書にまとめ施工位置の変更等承認を頂きながら進めていきました。中でも南校舎3階の来館者通路新設の部分では、見学対象となる瓦礫が、通路施工予定の位置に一部被っており、展示瓦礫を回避した通路の設置という事で、再度通路の位置の検討からになりました。

通路部分の墨を出す際、通路部分の瓦礫を再度戻せるように瓦礫の位置情報を撮影してから移動し、瓦礫の被る部分の所まで1箇所を基点に順番に墨出し作業を進めていきました。そして被る箇所はどの位置まで移動すれば瓦礫に被らないかを検証し、図面作成、協議、承認を頂くという流れで進めていきました。

また通路の施工内容に関しましても、協力業者と打ち合わせを行いまして、図面通りに施工した場合の想定される問題点と改善施工方法案を書面にまとめ提出し、承認という形で各社施工方法の認識に差異がない事を確認の上で何とか着手する事が出来ました。

※写真は3階来館者通路施工の写真になります。

④ 来館者見学ルート内にある南校舎階段室の内装整備・手摺の新設

当初全てリニューアルとされていましたが途中より壁面・天井部分の現状維持が決定し、弊社では既存手摺跡の撤去から階段の左官工事、床シートや各段のノンスリップ設置、新規手摺の設置を行わせて頂きました。ノンスリップに関しても既存のノンスリップに対し中のゴムだけを交換すると言う工事内容に変更になったのでメーカーに確認を行い、同じ物が無いという返答をもらったタイミングで全て新規でも良いかと質疑書にてお伺いをたてて承認を待つなど、こちらも工事着手までに時間がかかりました。

階段室内の床や手摺工事が終わった後も雨風が入る半屋外の環境下で、引渡しまでにある程度期間があった為、砂埃や湿気によるカビやサビで床が痛んだりしないよう周りの工事の進捗状況や環境に合わせ随時養生やクリーニングなどを行う事にも注力致しました。

⑤ 津波の傷跡をその場に残す為の屋外瓦礫固定・南校舎4階壁面の瓦礫模型設置

津波の際に一部の建物屋上に乗ったままの状態の瓦礫をその位置に残すという事で瓦礫の固定工事を施工を行わせて頂きました。

この工事の当初の問題点としては、無数にある瓦礫のどこをどのように固定するのかが図面にも記載されていなかった事です。こちらに関しましても、当初は質疑書と言う形でお伺いをたてていましたが、実際に現場にやましち建設様、丹青社様、気仙沼市の方々に足をお運び頂きましてその場で固定箇所や施工方法を一つずつ確認し明確にしていきました。また固定に使用する部材や固定方法などを明確にして認識の共有を計った上での施工になりました。

また今回の4階の瓦礫の模型も弊社にて設置させて頂きました。

⑥ 来館者が怪我なく安全に館内を見学する為の各箇所安全補強

こちらは来館者通路や階段の手摺などができたタイミングで気仙沼市役所様より、安全対策面で「施設には老若男女が見学に訪れることを考量した、安全対策を今一度各箇所確認お願い致します」とご要望があり、公共施設としてのリスクアセスメントへの拝領した高い意識が伺え、適切にリスク低減対策を実施することができました。

【総括】

今回の長期間現場に携わらせて頂きまして、どの工事においても共通して大切であると感じたのが、事前に想定される問題点を明確化にし、お客様と共有する事の大切さでした。

5月に現場入りした時点で、しっかりした調査もなく図面通りに動いていたとすれば、工事を何度も中断しその都度確認作業を行ない、承認をもらう事から結果工期にも間に合わず、お客様をはじめ、協力業者の方々にも大変迷惑をかけていたはずです。また、納まりに関しても図面通りにただ施工していくのではなく、施工した際又は施工後に起こりうる問題点がないかを考えて提言していく姿勢がいかに大切な事かをこの現場で身をもって体現させて頂きました。

今後もこの貴重な経験を活かして、日々の営業活動に取り組んでいければと思います。

株式会社オオウチ工芸

取締役 営業本部長 吉田 幹成

営業部 施工管理担当 南部 陽彦

営業部 営業課 高梨 恭輔(記事担当)

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